今日の人生

むなしい日も 幸せな日も たくさんの今日について

若君ジェームズと喜びの本

前回の続き。

見た目とは裏腹に一日食べるものがなくてお腹を空かせていることもあると語る車椅子の少年ジェミー、ポリアンナは全く食べるものが無いという経験がなく、どんな気持ちかと想像して悲しげな表情をする。そんなポリアンナにジェミーは力強く笑って言う。

「時々ひもじい思いをするのもいいものなんですよ。そうでなきゃジャガイモや牛乳がどんなに美味しいか、分かりませんからね。喜びの本に書くことがなくなってしまいますよ」

ポリアンナの専売特許でもある良かった探しをしている少年がここにも。食べるものがなくて本当にひもじい思いをするからこそ分かる食べ物美味しさ、それを喜びに変えられる強さ。その強さに私は太刀打ちできない。

 

ポリアンナが公園で久しぶりにジェミーに会えた時も

「雨が続いたせいか足の痛みがひどくて動けなかったんです。たいていは我慢できる程度の痛みだけど、昨日みたいだと息も出来ないくらいなんです。でもひどく痛む日があるからこそ、痛くない日は本当に良かったと思えるんですから… これでいいんですよ。 かあやは自分もリウマチで痛む体なのに無理して働いているんです。そんな暮らしの中でひとりぼっちの僕を引き取ってくれたんです。孤児院は可愛そうだからって。かあやはね、ジェミージェミーって自分の子供のように可愛がってくれるんです。」

 

力の弱い者が困難なことに立ち向かう、健気な姿が悲しくもあり、強くもある。空から真っ直ぐ降りてきた天使のようなジェームズに感服。

 

「何ひとつ楽しみのなさそうなところに 一番多く楽しみがかたまっている。地に落ちる一枚の葉は、音をたててもたてなくても、必ず何かの喜びをもたらしてくれる」

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